2013年4月~2015年3月
概要
このプロジェクトの目的は、宇治の街にある宇治茶スイーツを扱う店舗を紹介するためのパンフレット「宇治茶スイーツ店マップ」を作製し、それを広く配布して、宇治の観光振興に貢献するとともに、その配布の効果を経済学的に検証することです。2013年、当ゼミ10期生(2013年度3回生)が中心となってこのプロジェクトを立ち上げ、メンバーは、9期生11人、10期生11人、11期生17人の合計39名から構成されました。また2012年度に引き続き、立命館大学「学びのコミュニティ集団形成助成金」の助成対象活動の一つとして採択されました(助成金額:42万6000円)。
活動と成果
メンバーは、宇治にある宇治茶スイーツ店を訪れて直接交渉を行い、19の店舗から協力のご承諾を取り付けました。そして各店舗一押しの宇治茶スイーツを取材し、その結果をFacebookとtwitter上で広報した後で、その情報をもとに「宇治茶スイーツ店マップ」を9000部作製しました。さらにそれらを置いて頂ける店舗や団体を自らの足と人脈を使って見つけ出し、最終的に東京、愛知、岐阜、滋賀、京都、大阪、奈良、広島、福岡において冊子を配布することに成功しました。
「宇治茶スイーツ店マップ」にはアンケート調査票が付けられており、その提出と引き換えに、各店舗よりご提供いただいた優待サービスを受けることができます。その調査票から得られるデータをトラベルコスト法により分析した結果、こうした冊子を毎年配布することによって宇治への訪問頻度は約二倍に増加し、その効果額は年間約1400億円であることが導き出されました。
こうした「宇治茶スイーツ店マップ」の配布によって訪問頻度が倍になるという結果は、冊子の本格的な製作を検討する上で極めて有益な知見になるものと思われます。また女性を中心に、そして京都以外の地域で配布することが効果的であることもわかり、今後の宇治市の観光政策に役立つ傾向も導かれました。
この研究の成果は、本学経済学部の学生論集に掲載されました。
その後、2014年には、有志のメンバー5人でこの研究成果を再度分析・編集し直し、新たな論文として仕上げました。その成果は、日本ホテル教育センターが主催する「学生観光論文コンテスト」で努力賞を受賞しました。