2025年8月~2026年3月

概要
当プロジェクトの目的は、アップサイクルの推進に向けて、「規格外野菜を積極活用する倉庫カフェ」の価値を金銭的に評価することです。このプロジェクトは2025年度の「演習III」の中で展開され、21期生(2025年度3回生)を中心に取り組みました。また、この間のプロジェクトと同様に、今回もCAMPFIRE様のサイトにて、クラウドファンディングにより資金を調達しました。目標額を30万円に設定し、多方面にアピールすることによって、52人もの方々から目標額を超える308,500円のご支援をいただきました。
「アップサイクル(Upcycling)」とは、捨てる予定のものや不要なものに手を加え、デザインやアイデアでより価値の高いものにアップグレードして再利用することをいいます。本研究は、カフェにおける食のアップサイクル(規格外品・見切り品の使用)と空間のアップサイクル(倉庫をリノベーション)に注目し、消費者がこれらのアップサイクルに取り組むカフェのコーヒーに支払っても良いと思う金額(支払意思額)を計測することで、そうしたカフェ事業の収益性を見極める上で有用な需要側の情報を提供します。
活動と成果
本研究では、食と空間のアップサイクルの融合が生み出す相乗効果に注目しながら、規格外野菜を積極活用するカフェと倉庫を飲食空間として活用するカフェのそれぞれで提供されるコーヒーに対する支払意思額を計測しました。そのデータ収集のため、メンバーは2025年11月、滋賀県栗東市にある自動車保管用の巨大倉庫にキッチンカーを配備して、そこで規格外野菜や見切り品を活用したカフェメニューを提供するイベント「VEGGIE GARAGE」を開催し、その利用者を対象にアンケート調査を実施しました。キッチンカーを所有される「うつみ農園」様と倉庫を管理されている「ウエスト草津栗東店」の皆様の全面的なご協力のもと、イベントではそのインダストリアルなカフェ空間の中で規格外品や見切り品を活用したヴィーガンメニューを提供し、2日間で合計197食を売り上げました。
加えて、カフェにおけるアップサイクルの取り組みを人々に広く知ってもらうため、滋賀県内で規格外・廃棄野菜を積極的にメニューに活用している「自然派カフェ」と、同じく県内で営業する「倉庫カフェ」を紹介するパンフレットを作成しました。メンバーは自然派カフェと倉庫カフェをそれぞれ4店舗、合計8店舗を取材し、それらの紹介記事をA5サイズ、カラー刷りで、12ページからなる冊子にまとめ、それを2500部印刷して県内の観光案内所などで配布しました。
アンケート調査のデータを分析した結果、規格外野菜を積極活用するカフェのコーヒーに対して人々が追加的に支払っても良いと思う金額は50円、倉庫カフェのコーヒーに対するそれは約47円と計測されました。食と空間のアップサイクルの融合による相乗効果は検出されなかったものの、「規格外野菜を積極活用する倉庫カフェ」のコーヒーについては、人々はそのプレミアムとして約100円の支払意思を持つことになります。外食コーヒーの平均価格が1杯あたり約500円であることを考えれば、このプレミアムは基準価格の20%にも上る金額です。また、「規格外野菜を積極活用する倉庫カフェ」を訪れるために人々は7.4分の徒歩での移動を受け入れることも示されました。これらの知見は、これからカフェの経営の中でアップサイクルに取り組もうと考える人々、あるいは今後アップサイクルをコンセプトにカフェを開業しようと考える人々にとって、その合理的な判断を助ける有益な情報になるものと期待されます。
報告書の抜粋(分析部分)は以下よりダウンロードいただけます。
なお、当活動は専用のInstagramアカウントでも随時報告されました。




























